乾田直播 鉄コーティング表面播種 方式
2021年5月16日新設
2021年11月13日更新
今年は、全量自家採取の種籾を使い、鉄コーティングも自分で行いました。
種籾を播く、田圃の耕耘にも新しい試みを行いました。
新型コロナウィルス騒動は、治まるところをしらず、拡大の一歩で巷は大変ですが、自然の中では、鳥が元気に囀って飛び回り、子育てに勤しみ、鹿も遠慮なく我が家の森を闊歩しています。
今年は8月の雨と台風、日照不足の影響で、不作でした。湯布院盆地の方はそれ程でもなかったようで、平年並みの収穫だったと聞いています。しかし、二人には十分な収穫が得られました。
田圃の準備
種籾の準備
播種
烏対策
成長の様子
中耕除草第一回目
中耕除草第二回目
出穂
倒伏と対応
成熟期
稲刈り
脱穀
稲藁粉砕
袋詰め
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水路の改良
一昨年から溝の側面の板が腐って水路を狭くしていて、さらに草が清掃の邪魔をするので、懸案になっていた水路の改良を、U字溝を入れて行いました。
一人では難しかったのですが、丁度若い知人が訊ねて見えた時に頼んで手伝ってもらいました。大助かり、感謝・感謝です！
 4月２１日に、みのりSを12袋 |
 竹堆肥を23袋 |
 田一面に撒き広げました |
 最初に何時もの縦耕耘（4月22日） |
 次に直角方向に横耕耘 |
 ４月２４日に、、ドライブハローで細かく砕土し、均平にしました。 |
 綺麗に仕上がりました |
今年は、田圃の準備に新しい試みをしました。
「代掻き」をしないで播種しようと決めました。
その理由ですが、今迄は、代掻きをして均平になった田の表面が渇く迄まって、その表面を耕耘し、均していました。これだと、
①田が渇く迄の期間が長く必要で、播き時期の制限が厳しくなる事。
➁折角代掻きで均平にしたのに、もう一度耕すとその均平度が失われる事。
③土に湿り気があるので、細かく砕土出来ない事。
という問題点がありました。
今年は渇いた状態で縦横二度の耕耘をし、さらにドライブハローで表面を平らに仕上げました。
懸案は、「水が漏れずに溜まるか？」です。
これは、播種した後、水を実際に入れてみなければ分かりません。
しかし、土を細かく砕土しておけば水の浸透は低減できるだろうとの予想に基く判断でした。
 籾から糸のように伸びているのが「芒（ノギ）」です |
 循環式精米機で芒を取る条件をテストしました |
 選別も兼ねて、唐箕で芒のクズや、ゴミを取り除きました |
 湧き水を利用して浸種の開始です |
 浸種し終わった籾の水切りをしています |
 コンクリート・ミキサーで鉄粉と焼石膏を混ぜます |
 混合した鉄粉を取り出し、羽を外します |
 籾を入れて、混合鉄粉をまぶしてゆきます |
 コーティングが完了した籾は苗箱に入れて酸化させます |
 籾同士がくっついて煎餅のようになってしまいました |
 ダンゴになった籾をバラバラにほぐし、篩で選別しました |
まず、芒（ノギ：籾についている細い柄のようなもの。稲の茎と穂を繋いでいる部分です））を取り除かなければなりません。播種する時に、播種機に籾が詰まってしまうからです。循環式精米機の圧力と時間を変えて、芒が取れるのと、籾殻が剥がれてしまうのとの兼ね合いを見る条件出しをしました。
最後に唐箕でゴミを取り選別しました。5kgの種籾を用意しました。
4月15日の夕方3時半から浸種を開始し、20日の9時に引き上げて水切りをしました。水温が約11℃なので、積算温度は約50℃強になります。
今年は、クボタに鉄コーティングを頼めなかったので、自分でコーティングする事にしました。コーティング・マシンの代わりに、コンクリート・ミキサーを買いました。ネットで買ったのですが、簡単に組み立てられました。
まず、鉄粉2.5kgと、焼石膏250gを測ってコンクリート・ミキサーで一様に混ぜて混合鉄粉を作りました。
次に、コンクリート・ミキサーの羽を外して、水切りをしておいた種籾を入れ、少しづつ混合鉄粉を入れ、散水ポンプで霧状の水を掛けながら撹拌を続けました。
最後に表面を固めるため、焼石膏を125g掛け入れて撹拌を続けました。「仕上焼石膏」と呼んでいます。
出来上がった鉄コーティング籾は苗箱に薄く広げて酸化させます。
コーティングした時に掛ける水の量が多すぎたのか、苗箱の中の種籾がくっついてしまいました。暇に掛かってバラバラにし、最後は篩でダマになっている物を除き、それをほぐしてまた篩に掛けるという作業をしなければなりませんでした。
それでも、十分な鉄コーティング種籾を作る事ができました。
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但し、今年は、「種まきごんべえ」の種が土に落ちる部分の溝堀機構は取り外さず、地表すれすれに調整して播きました。もちろん覆土はしていません。しかし、多少、土を被ったように播けました。
吉とでるか、凶とでるか・・・ 今後が楽しみです。
播種後、直ぐに水を入れ始めました。
これから7日間は湛水状態を維持します。
 杭を打って糸を張っています |
 道際のネットです |
 法面側にも張りました |
 27日午前8時半 |
 28日午前8時半 |
27日の朝の時点で、水はヒタヒタに溜まっていました。
28日には完全に、水口一杯迄溜まりました。
代掻き無しの懸案が、解決しました！
 5月13日 周囲に撒いた籾から芽が出ています |
 5月16日 芽が出ているのが分かりますか？ |
 アップの写真です |
5月16日には、ヒタヒタに水位が下がった水面から芽が顔を出しているのが確認出来ました。
これで、一安心です。
5月2日午後4時まで湛水していて、4時に落水。その後は田面に水が無くなって渇きかけたら水を入れる間断給水をしています。
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昼間は太陽の力で水温を高めて稲の成長を促し、夜の間に冷たい水を入れるというわけです。
この方が、成長も均一になります。
 一面に草が生えています |
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 田車の廻りには草が浮き上がります |
 草が茂っている所は疲れます |
 中耕除草完了です |
 やっと尻尾が無くなったアオガエル |
まだ、稲は小さくか弱いのですが、中耕除草をする事にしました。
水面に浮いた草に押されて、倒れてしまう稲もありますが、そのうちに立ち上がってきます。
田圃の中では、アオガエルや、トノサマガエル、ゲンゴロウ、イモリ等々元気に動き回っています。
畔際にはイトトンボが沢山います。
畔に生えている野菊やアザミの花を楽しみながらの作業です。
でも、かなり腰と肩、腕に負担が掛かり、丸一日やると疲れ果てます。
10日は別件があって、お休み、8日、9日は半日作業だったので、実働は3日というところです。
 7月4日 |
 株間の草取り |
 7月13日 |
草たちも元気です。
第二回目の中耕除草を6月30日から始めました。
作業出来ない日もあって、終わったのは7月6日でした。
準子さんは株間の草取りを始めました。これは大変な作業です。
腰が痛くなります。草が投げ捨てられない田圃の真ん中は、発砲スチロールの箱に草を入れて引き出しています。
 7月20日 |
 ７月31日 |
 8月6日穂を確認 |
 8月11日 出穂 |
準子さんはずっと株間の除草を続けていましたが、追いつきません。私も手で草を取る事にしました。
それでもとても追いつくものではありません。
穂が出始める直前の8月5日迄草取りを続けました。
8月6日には穂が出ているのを確認しました。
そして、8月11日には出穂しました。（ほぼ半分穂が出揃った状態です。）
 8月14日 |
 8月15日対策実施 |
 8月23日 |
皮肉なことに、せっせと株間の草を取った所が倒れています。草を取る時に、稲の根元を緩めてしまったのでしょう。
昨年同様、イボ竹を立てて、それに稲を縛って倒れないようにしました。
8月は、一日晴れだった日が殆どありません。まるで梅雨のようなどんよりとした空が覆いかぶさり、時折陽が差したり、雨が降ったりと稲にとっては最悪の天候が続いています。
 9月1日 倒伏対策で、水は入れていません |
 9月19日 実が入るにつれ、倒伏が進んでしまいます |
 9月26日 穂も、稲全体も色づいてきました |
9月に入っても、雨と曇りの日が続き、心配でした。
倒伏が進行してきているので、水を落として、穂が水に浸かるのを防ぎました。
9月も終りになると、黄金色に色づき始めました。
 10月4日 倒伏対策の支柱を外して準備をしました。 |
 10月4日 晴天にも恵まれて、絶好の稲刈り日和でした。 |
 10月4日 バインダーで順調に刈っています。 倒伏した稲も大丈夫でした。 |
 10月4日 今日はここまで |
 10月4日 稲架に刈った稲を掛けています |
 10月4日 今日の成果です |
 10月5日 残りはあと少し |
 10月5日 刈り終わった稲を運んでいます |
 10月5日 完了です！ 良くやったなー！ |
 私もお手伝いしました♡ |
 全部を稲架に掛けた状況です。 |
雑草の多い所は、バインダーの先端を浮かせてなるべく雑草を刈り込まないようにしましたが、それでも時々結束漏れを起こしました。
倒伏しているので、時間は掛かりますが、一方向で刈り取りをしました。
結束漏れも少なくて、順調に稲刈りが終わりました。
稲架は、全部で5本立てました。例年は、6本は立つのですが・・・
今年は不作です・・・
天気が良かったので、1日半で終わりました。
 ハーベスタで脱穀 |
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 私もお手伝い |
 秋晴れの中終了 |
 8袋の収穫でした |
 粉砕の為に、稲藁を広げています |
ハーベスタで脱穀です。
コンバイン籾袋8袋、約240kg弱の収穫でした。
稲架を片付け、稲藁は田圃一面に広げて、フレールモアで粉砕しやすいようにしました。
 昨日広げた稲藁を |
 フレールモアで粉砕します |
 粉砕し終わった状態です |
丹念に、縦横走行して綺麗に粉砕しました。
こうしておけば、鋤き込みやすくなります。
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収量は、籾で211.6kg、玄米換算で169.3kg、約2.8俵の収穫でした。
例年は、4俵位採れるので、3割の減収と言う厳しい結果になりました。
しかし、籾から玄米への歩留まりは80%、籾から白米へは72％と平均値通りで、品質は良好と思えました。
後で炊いて食べてみたら、とても美味しかったです。
今は、来年に備えて、田圃の補修と手入れをしています。
