しかし、新たな問題も持ち上がって苦戦しています。
将来の体力低下をを考えるなら何とかこの技術を確立したいと思って頑張っています。
色々試験もしています。その結果もお伝えできればと思います。
直播栽培は北海道や東北地方では盛んに研究されていますし、実施されています。青森県の西北地区ではマニュアルも作られていて、ネットで公開されています。それらを参考にしながら、中山間地の孤立した一枚田でどのようにやってゆけば良いのかを勉強中です。
4月6日：肥料入れ
4月9日：荒起こし（荒開け）
4月10日、13日：代掻き
4月29日：種籾の塩水撰と催芽
5月3～5日：畔や周囲の刈り払い
5月7日、8日：種播き
5月19日：出芽
5月22日：苗が消えてゆく！
5月29日、30日：大量に植えつぎ
5月31日：来年に向けて
成長の様子
6月19日、20日：中耕除草
二ヶ月間の草との戦い
8月5日：穂が出ました
8月16日：直播の稲からも穂が出ました
9月27日、10月3日：稲刈り
10月19日：脱穀
今年の反省点
 奥に見えるのが 堆肥 |
 運搬車を歩かせながら撒きます |
この竹堆肥に一年以上熟成させた牛糞堆肥を混ぜてさらに熟成させておいたものを使いました。
運搬車で9台分入れました。約1トン位だと思います。
その他に熟成鶏糞を40kg、アスカマンを40kg入れました。
冬の間にはストーブの灰を撒いておきました。
 水回しの溝掘り |
 入水開始 |
 耕耘後 |
レンゲはまだ大きくなっていなかったのでそのまま鋤き込みました。
 代掻き前 |
 一回目の代掻き後 |
 二回目の代掻き後 |
昨年は水を全く入れず、従って代掻きもしないで畑のように耕し、そこに種籾を播きました。その結果、田に水がなかなか溜まらないという問題が生じました。田の底から水が漏ってしまうのです。いわゆる「縦浸透」という現象です。
代掻きをして、細かい泥で隙間を塞ぐ事によって水持ちを良くする事ができます。
今年は丹念に二回代掻きをしました。出来る限り高低差を少なくする為に、レーキで高低差の修正もしました。
 |
田面には亀裂が入ってきました。
左の写真は4月29日の様子です。
 塩水撰 |
 湧水で浸種 |
 発芽した籾 |
この種籾を湧水に5月5日まで浸し、その後26℃に制御した温水で催芽させました。
 |
 |
 |
 種まきごんべえ の播種深さ調整 |
 真っすぐ進みません |
 覆土もできません |
|
 トラクターで耕耘 |
 レーキで高低直し |
|
掘り返された土も団子状なので覆土が上手く行きません。
急遽表面を耕耘することにしました。
トラクターで浅く耕しました。
これでやっと真っすぐ進めるようになりました。土が細かいので覆土も上手く行きます。
8日にやっと種播き完了です。
 |
 |
列状になっているのを確認できるところもあります。
水は間断給水で、田面の水が引いたら水を入れるようにしていました。
種籾に酸素を供給するのと適度な水分を供給するのを両立させるためです。
 |
 |
そして、水面に4cm程に伸びた苗が沢山浮いています。
良く見ると、籾の部分がありません。
どうも、鳥が引き抜いて種の部分を食べているようなのです。
被害は甚大で、全く芽が無くなってしまっている部分があります。
鳥が侵入して、逃げやすい部分に集中しているようです。
防鳥ネットを張る事も検討しましたが、水を張ってしまった田圃では作業が難しく、しかも、犯人は「カワラヒワ」らしく、防鳥ネットの30から40ｃmはある目をくぐってしまい効果が期待できません。
泣き寝入りですかねー・・・・・
 植えつぎ前 |
 植えつぎ後 |
 芽が出揃っているところも・・・ |
図らずも試験区を設けたようになりました。
直播した稲はまだひょろひょろですが、植えた苗はもう本葉が3枚以上出ています。
 カルパー粉粒剤16 |
 粉衣前の籾 |
 粉衣した籾 |
 団子になったものは 篩いで選別します |
 試しに播いてみました |
 左が覆土1cm 右が2cmです |
 6月20日覆土1cm |
 6月20日覆土2cm |
 7月27日 差が無くなっています。 一番左は後から播いたコーティング無しのものです。 |
間断給水して、表面の土が露出した時に鳥が集団で来て苗を引き抜いて籾を食べてしまうのです。
それでは水を入れっぱなしにして発芽し、水面から出芽できるかどうかが問題になります。
湛水直播という技術があって、これは播種した後10日間前後水を干し、その後湛水して出芽させる方法です。
この技術の核は「過酸化カルシウム」です。過酸化カルシウムを籾に粉衣する事で、過酸化カルシウムが水と反応して放出する酸素を稲に供給しようというものです。
粉衣（籾にまぶすこと）するには機械があるようですが、盥の中で手でまぶせないのか試してみる事にしました。
これが上手くゆけば来年鳥害を防ぐ切り札にできます。
「カルパー粉粒剤16」という製品名の過酸化カルシウム製剤を買って来てやってみたら上手く行きます。但し、篩いの目が丁度良いものが無く、これは手配しておく必要がある事が分かりました。
粉衣した籾を試しに発泡スチロールの箱の中に播いてみました。水を張ったままで出芽するかを見極めようと思います。。
一つは浅く（1cm位）覆土したもの、もう一つは厚く（2cm）覆土したものです。
どちらも出芽しました。6月14日にはどちらの箱の籾もはっきり水面から芽が顔を出しているのを確認できました。
試してみて色々な事が分かってきました。
覆土1cmの方が出芽が早いし、出芽率も良いのですが、鳥に引き抜かれて苗が浮いています。
2cmの方は鳥による害はありません。
播種していきなり湛水して、その状態を続けていても出芽する事が確認出来ました。
その後、カルパーコーティングをしていない籾を播いてみたのですが、それでも播種後湛水し続けていても出芽する事が確認出来ました。
 6月11日 |
 6月26日 |
 7月10日 |
右下部分は苗を植えた所です。
やはり移植苗の成長は良いです。
しかし、直播稲も近くで見ると茎もしっかりしていて分けつも盛んです。
 7月24日 |
 8月5日 |
 8月31日 |
 9月24日 |
 |
 |
 |
 順調、順調！♡ |
 うーん、頑張っているな |
 浮いているのはコナギです |
そこで、中耕除草をする事にしました。
今年は腰第一で、新たに軽いアルミ製の中耕除草機を購入しました。ネットで調べて、握り手が下方にあるタイプを買いました。今までの経験上、通常の横に握り手が張り出しているタイプは除草器の角度や深さをコントロールし難いからです。私はその為に除草機を改造して使っていました。
新たに購入した除草機を使ってみたら嘘のように楽なのです。
今までは一往復事に休みを入れていましたが、数列連続して作業しても大丈夫なのです。
二日間で（それぞれ半日程の作業）で完了しました。
株間や、抜けなかった草は準子さんが手で取ってくれています。
左上の写真の手前は今まで使っていた中耕除草機です。師匠から頂いた物で、おそらく20年位前の物でしょう。
改造の経緯などは2008年の稲作りのページの「中耕除草」の項目を見て頂くとお分かり頂けます！
基本構造は殆ど同じなのですが、先端の船のような部分と握りの構造、ローターの大きさなどが違います。
 暑い日でも |
 雨が降っても |
 私は日陰で観戦 |
これが手強く、準子さん一人では負けそうでした。
電気柵設置の為の刈り払いを始めた私も一緒に草取りを始めました。
それでも6月22日から準子さんが初めて、一通り終わったのが7月20日でした。その時には最初に草を抜いた部分にまた草が茂り始めていました。
そこで草取り第三陣。7月30日にやっと終わりました。
これでもう草取りは終わりです。
この時期にあまり田に入ると稲の根を痛める恐れも出てきます。
昨年と比べれば格段に良い状態です！
 びっしり生えたコナギ |
 コナギも花は可愛いのです |
 オモダカの花も可憐です |
 |
やはり移植苗は成長が良いようです。
直播した稲はまだ穂が出る様子はありません。
 8月16日に確認 した出たての穂です 真ん中にあるのが 分かりますか？ |
 8月21日の全体の 様子です。 右の三角に見える 部分が移植苗の 部分です。 |
出穂予定日の8月20日には半分近くの穂が出ましたので、ほぼ予定通りに成長していると思われます。
稲は全体に元気だと思います。
草を一所懸命取った成果でしょうか？
今年は少し期待できそうな感じです。
 |
 |
 |
 |
 |
 |
まだ葉色が褪めていなかったので少し早いかなという感じでした。
稲架にする竹も伐り出してきました。
|
色々用事が入って一番良い時に脱穀出来ず、少し湿度が上がってしまって19%だったのですがまた天気崩れそうだったので脱穀する事にしました。
脱穀機を動かそうとしたらエンジンの調子が悪く、キャブを分解清掃しても直らず、結局メーカーに来てもらってキャブを交換すると言うハプニングもありました。
籾で300.6kg、玄米換算で約240kgの収穫がありました。4俵というところです。
一番の問題点は鳥害によって苗が引き抜かれてしまった事でした。
その対策としては、実験結果も踏まえると、籾をカルパーコートして播種してからずっと湛水しておくことです。多少覆土が厚くても、水深が3cmあっても発芽する事が確認できましたので、来年は深く播いて、そのあと水を常時張っておく事にします。
穂に実が入ってからの鳥害も深刻でした。こちらはあまり有効な手が有りません。鳥よけネットを張るか、鳥脅しテープを張るかしかないと思います。
除草は、中耕除草を間を置かずに行う事でもう少し楽になると思われます。いずれにしろ株間は手で取るしかありません。
少し刈るのが早すぎたと思います。それも植え継がなければ適期に稲刈りができると思います。つまり、鳥による苗の食害を防止できるかに掛って居る分けです。
このページの先頭へ
ホームページの先頭へ