今年は「竹堆肥」と自家採取の種籾
更新10月19日
昨年は海の精の「苦汁」を使って倒伏することなく、味も良い米を収穫する事ができました。
今年は新たな試みとして「竹堆肥」を使ってみます。
狙いは「食味」。一味違った美味しい米作りを目指します。
この「竹堆肥」は昨年川西校区まちづくり会議の中に「竹資源活用推進部会」を立ち上げ、地域の人達と力を合わせて作ったものです。5か月間で18トンもの竹堆肥を作り、皆で分けてそれぞれ使い方を工夫してみる事にしています。
私は田圃に使ってみます。
効果はどうでしょうか？
勿論今年も海の精の「苦汁」も使います。
種籾も自家採取のものですから、これも有機無農薬。
「完全有機無農薬」の米作りに挑戦です！
今年の稲作りは失敗です。
収量は半減、玄米換算で158kg、2.6俵しか収穫できませんでした。
肥料の大切さを思い知らされました。
3月30日～4月2日：苗代の準備
4月10日：種籾浸種
4月16日：催芽開始
4月20日：播種、苗箱据え付け
4月25日：発芽しました
苗代での成長の様子
5月17日：畔の草刈り
5月22日：畔切り
5月24日：畔切り完了、水を入れ始める
5月25日：畔塗
5月27日：竹堆肥投入
5月29日：代掻き
6月2日～5日：田植え
6月17日、18日：中耕除草
稲の生育の様子
9月5日：レンゲの種まき
9月14日、16日：稲刈り
10月7日：脱穀
10月9日：袋詰め
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周囲や中にまで雑草が生えてしまっていて、一部はシート破って顔を出していました。雑草の逞しさには感心させられます。
雑草を鎌で刈ってやっと苗代らしくなってきました。
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昨年は畔シートを利用して水路を作っていたのですが、周囲の土が崩れて水路が狭くなったり埋まってしまったりする不具合がありました。そこで、直径は15cmある蛇腹のパイプを買ってきて排水路にしました。シートとの接合はロープでしっかり結わえただけですが水漏れは無し。
これでまた少し進歩しました。
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水は順調に来るようになりました。
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そして、「竹堆肥」と寝かしておいた牛糞堆肥を投入し、鋤き込みました。
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種籾も有機無農薬です！
今年は、種籾を買わずに我が家の籾を選別して種籾にしました。
種籾は高いし、5kg単位なので勿体ないからです。
ボーメ値19（比重1.15）の塩水を作り、3kgの籾を選別しました。
かなり多くの不適格籾が出ましたが、2kg位は確保できたと思います。
塩水選をした後は、流水に浸しておきます。
積算温度100度で発芽すると本には書いてあるので、水温が15℃位ですから6日間浸しておいて温水で催芽すれば芽が揃うはずです。
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温水は1000倍の「苦汁」液です。
計算では半日位で発芽するはずだったのですが、まる一日掛ってしまいました。
16日の午後11時20分から温水に浸け始めて、発芽したのは17日の午後11時でした。
しかし、理想的な発芽状態にできました。
発芽させた籾は乾燥させて7℃に設定した業務用冷蔵庫で保管しました。これも始めての試みです。
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そして、その上に根切りシートを張ります。
これで苗箱を据え付ける準備は完了です。
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まず、播種機に種籾を入れておきます。
次は苗箱に土を入れます。土は「みのる」の専用倍土です。他の農家の方を見ていても、この土がポット苗には一番適していて、均等に土が入ります。
土を入れた苗箱を播種機に通すと一つ一つのポットに種籾が播かれます。
覆土は再び人力です。軽く土を掛けて縁に土が残らないように払います。
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鳥につつかれないようにサンサンネットのトンネルを上に設置します。
水位を一旦苗箱の上まで上げて水を全体に行き渡らせ、次に苗箱の縁の少し下になるように調整して苗代の完了です。
後は気候が順調で発芽するのを待つばかりです。
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春の一番良い、しかも色々やらねばならないこの時期に心穏やかでないのですが痛くてまともに歩けないのではしかたがありません。
準子さんが苗代を見回り水の管理をしてくれています。
夕方準子さんが芽が出ていたと写真を撮ってきてくれました。
このところの寒さや不順な天気で芽が出ないで種を播き直した農家もあると聞くなかでの朗報です。
「よかった。やったね！」と喜んでいます。
 4月27日 |
 4月30日 |
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保温シートが膨らんできたので剝ぎました。まだ可愛い緑の芽が光を浴びて嬉しそうです。
水口部分の苗箱が少し低くて水に浸かり発芽が揃いませんでしたがその他は綺麗に揃っていました。これもしばらくすれば揃ってくるので心配はありません。
 5月12日 |
水位を少し高く設定しておきました。
 5月21日 |
鳥よけに設置していたサンサンネットを外しました。
緑も濃くなってきました。
 5月21日 |
肥料切れを防ぐため、ホエー（Whey：チーズを作った後にできる栄養分を含んだ液体）で苦汁を500倍に薄めた液を作り散布しました。
 5月21日 |
苗もしっかりしてきました。
 5月26日 |
 5月28日 |
苗の高さは10cm位です。
例年より生育が遅いのが気になります
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刈り払い機も小型の物を使用し、刈り刃も径の小さいものを付けてなるべく足への負担を減らしながら作業を進めました。それでも午後の2時間で畔の草刈りを完了しました。
田植えに向けて何とか体調を取り戻さねばと頑張っています。
 水が入るようになりました |
 排水路の補修をしました |
 畔切り前 |
 畔を切ったところ |
そして、今日は畔切りを始めました。まだ体調が万全ではなく、三分の二位のところで疲れ果てて中止しました。
午後からは雨が降り始めて結局今週はここまでと言う事になってしまいました。
 蟹や蛙に開けられた穴 |
 蛙の卵 土蛙でしょうか？ |
開けられた穴をしっかり塞いで水が漏れないようにするのが畔切りとその後に行う畔塗の目的です。
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畔を切り終わってから水を入れ始めました。水が全体に回ったら幸運して土を柔らかくしてから畔塗をする予定です。
昨日の激しい雨で、水を引いているホースの取水口が詰まっていて清掃しました。
苗代も同じでこちらの方は全く水が来ていなくて水位が下がってしまっていました。
 溝掘って水を回します。 |
 トラクターで耕耘 |
 鍬で土を練って畔に積んで形を整えます。 |
 畔シートを埋め込んだ所です。 |
腰の調子が良くなく、ゆっくり作業を進めたのですが、慣れて来た為か、半日で完了しました。
綺麗に仕上がって満足していあます。
何時も蟹や蛙が穴を開ける所は下に畔シートを塗り込んでおきました。
 竹堆肥は袋に詰めて運搬してきて、均等に撒けるようにしました。 |
 我が家の籾殻です。 |
 雑草堆肥を撒いているところです |
 運搬車で運びます。 |
田圃の半分に約320kgの竹堆肥を入れました。
その他に元肥として、糠、籾殻、雑草堆肥を入れました。
雑草堆肥は昨年刈りはらった雑草を積み上げておいたものです。
竹堆肥を入れた袋は重いし、雑草堆肥は二段上の畑から運んでこなければならなかったのですが、エンジン付き運搬車を田圃の中に入れる事が出来たので効率良く作業が出来助かりました。
 トラクターは楽です！ |
 どうしても高い所は手で |
 代掻き前 |
 代掻き後 |
 水口の仕上がりはリバティーがチェック！ |
現代農業の記事を読んで、一回で綺麗に代掻きをしようと思ったのですがやはり高低差が出来て、結局縦横二回の代掻きをしました。
仕上がりは上々です！
どうです、綺麗でしょう・・・？
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 苗に倍ほどの成長差がありました。 |
さて、苗代の苗の状態ですが、良く育っているものとそうでない物との差が大きいのです。これは始めての経験です。
据えた箱の外側の苗の生育が良く、内側程よくないのです。
苗代の水を入れ替えなかったので酸欠になったのかなと考えていますが来年の課題になりました。
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後の中耕除草を考えると綺麗に植えたいのと、苗を選別して植えたいからです。
昨年は1本植えを基本にしましたが、今年は2本植えを基本にしました。昨年思ったように分けつしなかったのと、複数本植えると「競争原理」が働いて強い稲になるという話を聞いたからです。
一日目は調子が出ませんでした。やはり、足に違和感があって、田圃の中を歩くのもゆっくりでした。それに生育の悪い苗や一本苗があって二本に揃えて植えるのに手間が掛りました。
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最後に苗が少し足りなかったのですが懇意にしている方から頂いていた苗があってそれで何とか間に合いました。
植え終わった田圃の情景が私は大好きです。
やったな！という達成感と同時に、命の力強さが伝わってくるような感じがするのです。
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一昨年の反省を踏まえ、中耕除草は一回のみとすることにしました、。一昨年、念入りに株間や根元までコナギとオモダカを抜いて回ったのですがそれが裏目に出たようで、稲の根を切ってしまい倒伏の一因を作ってしまったと考えられるからです。
多少コナギが茂ってもそれ程大きな影響は無いと思えます。
毎年のことですが、この中耕除草は疲れます。
今年は腰を痛めたこともあり、休みながらゆっくりやりました。
リバティーも気遣ってくれていました。
二日間掛って完了させました。
 田植えの翌日 6月6日 |
 6月16日 間断給水をしているので土が少しのぞいています |
 6月6日 ひ弱な感じがするほど可愛い苗です |
 6月16日 二本植えなので茎が二本見えます |
 6月26日 |
 7月4日 |
 6月26日 分けつしてきました |
 7月4日 分けつが進んできました。 |
 7月16日 今年はイネドロオイムシの被害が目立ちます葉が養分を吸われて褐色になっています |
 イネドロオイムシのアップです。可愛い虫なのですが・・・ 成虫は小さな甲虫です。 この田圃には本当に多くの生き物がいます。 |
 7月16日 茎が太くなってきました |
 7月16日 根元のアップです。 もっと分けつが欲しいところですが・・・ |
 8月6日 “出穂” |
 8月6日 出穂は何時も胸が躍ります |
 8月6日 注目株はまだ出穂していませんでした。 |
 分けつが不十分です。 |
 8月25日 8月11日に苦汁を投入、25日に水口を開けて完全に水を落としました。 |
 9月11日 稲刈り少し前の状態です。今年は実の入りも、分けつも良くなく、しかも葉の色が早くから褪せてきてしまいました。 |
 8月25日 穂が垂れてきましたが、例年より頭が軽い感じがします。 |
 9月11日 状態が良くありません。 |
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特に、窒素分が不足だった為に葉色が悪く、炭酸同化作用が活発に出来なかったので分けつも、実入りも悪かったと思われます。
そこで、来年に備えて「レンゲ」の種を撒きました。
レンゲは空気中の窒素を土中に固定する働きがあります。
2007年、2008年と連続してレンゲを緑肥にして2007年は成功、2008年は窒素過多が原因と思われる倒伏で苦い経験があります。しかし、逆に、今の土壌が窒素不足ならレンゲの量を少し減らして緑肥とすべきと考えました。
通常一反に3kg播くところを、2kg播きました。
来年に期待です！
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故障したバインダーは修理が間に合わず、手刈りをしようと思っていました。そこに、懇意にしている地元の方から1条刈りのバインダーを貸してあげるという有難い話がありました。
渡りに船とお願いして借りてきました。
このバインダーは調子が良く、麻紐を使っても結束漏れが一つもありませんでした。
全部で稲架は7本、例年なら12本から13本弱はあるのですが・・・
つくづく農業は難しいなと思っています。
ちなみに、周りの農家は今年は豊作だと言っています・・・
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今年は、稲藁は裁断せずに藁束のまま残しました。
ヤギ達の冬の餌にする為です。
地元の長老が藁を束ねて軽トラに積んでくれました。
肝心の籾は籾袋に8袋弱しかありませんでした。
収穫した籾は師匠の乾燥器で仕上げの乾燥をしてもらいました。まだ水分が17％あり、これを15％位まで下げる必要があったからです。乾燥は自然風だけで行ってもらいました。
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8袋弱でした。
籾で197.5kg、玄米換算で158kg、約2.6俵です。
昨年の半分以下です！
残念です。
しかし、食べてみると味はとても良いのです。粘りがあり、もっちりしていて瑞々しい香りがあります。
これがせめてもの救いでした。
肥料は大切です！
苗代もあれこれやりすぎました。
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