更新：2009年11月10日
昨年は倒伏という苦い経験をしたので、今年はしっかりした稲を育てる工夫をしてみます。
今年は「にがり（苦汁）」を使ってみる事にしました。
「現代農業」で塩、海水、苦汁を使った作物作りの特集があり、しっかりした稲に育て、食味を良くするのに効果があると判断したからです。苦汁はミネラル分が豊富で、これが稲の茎をしっかりさせ、食味を良くする効果が期待できます。
「にがり」も色々ありますが、素性の確かなものを使いたかったので友人にお願いし、
「海の精」から試供品を提供して頂きました。
目標通り、倒伏することなく無事収穫を終えました。
「苦汁」の効果はあったと思います。
新米の味も上々です。今までで一番美味しいかな・・・と・・・
3月29日〜4月7日：苗代の準備
4月3日：種籾の選別
4月14日：催芽、15日播種
4月15日：苗箱据付
4月20日：発芽〜育成
本田の準備
5月27日〜29日：田植
6月6日：米糠散布
6月16日、20日：中耕除草
7月中旬：中干し
7月17日：苦汁投入
7月29日：出穂
8月10日：消石灰散布（内えい褐変病発生！）
稲の生長の様子
8月16日：苦汁投入・草刈
9月20日〜24日：稲刈り
10月5日：脱穀
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昨年は苗代での育苗後半で肥料切れを起してきたのと、苗箱を田植の時に取り出すのに根が土を掴んでしまって苦労したのを改善しました。
プールにする部分を掘りなおし、シートも草が生えないよう黒い厚手の防水シートを張りました。
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床土には堆肥、苦土石灰、アスカマンを入れ、トラクターで土を細かく砕き、よく混ぜてからシートを張ったプールに入れました。
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昨年は土の上に直接苗箱を置いて、田植の時に根が土を掴んでしまって、取り出すのに重く、しかも根が長く伸びてしまっているので苗を取り出して植える時にも苦労しました。
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今年はきっちり塩水選を行なう事にしました。
まず、ボーメ計（比重計）で塩水の濃さを決めます。
（ボーメ値19、比重1.15)
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この水の温度は１０℃ですので、１０日程浸けておきます。
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種籾は播く時にくっつかないように陰干ししておきます。
苗箱の床土は人力で入れます。
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右の写真は種が播かれた状態です。
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これで苗箱は完成。42枚作りました。
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苗箱の土や籾をこぼさないように注意深く苗箱を運び据えつけます。
据付を完了しました。
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苗箱を押さえるのを忘れていたのでシートの上から押さえました。
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これで全ての作業が完了です。
後は芽が出るのを待つばかりです。
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可愛い芽が沢山出ていました。
日に日に育って行きます。右側は23日の様子です。
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左側の写真のように、シートが膨らんでいました。剥ぐと緑の絨毯です。
もう第2葉が成長しています。サンサンネットはずっと被せておきます。
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5月5日に竹酢液500mLを苗代の水口から流し込みました。一旦水位を下げて、水を入れながら流し込み、均一に広がるようにしました。
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右側は5月13日です。第4葉が成長を始めています
すごい成長力です！
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5月11日に海の精の苦汁を500倍に希釈したものを10リットル散布しました。希釈液は生活処理水です。
狙いは茎のしっかりした強い苗を育てるところにあります。
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一週間でこんなに育ちました。
もうすぐ田植です！
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田植の時にはこんなに立派に育ってくれました。
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4月16日には糠、籾殻、アスカマンを投入しました。
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畦には蛙や蟹があちらこちらに穴を開けています。
荒起こしをして投入した糠や籾殻、草などをトラクターで鋤き込みました。
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左の写真は代掻き後の田圃の合成写真です。 我ながら綺麗に仕上がったと・・・フフフ |
代掻きです。田植え前の大事な作業です。
苗代の稲も田植を待つばかりに大きなリました。
田植の準備を急がねばなりません。
今年はきっちり均一な田面を作ろうと縦横丁寧に代掻きしました。殆ど一日がかりでした。
後から農家の方に「そんなに時間を掛けていたら仕事にならないぞ。」と笑われてしまいました。
まだまだ技術が未熟な私です・・・！！！
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今年は生憎の雨の中、合羽を着て田植をしました。
何時ものパラソルとお弁当は無し！
少し寂しい田植でしたが、二人とも慣れてきたのか三日で終わりました。
苗は苗代から軽トラActyに積んで運び出しました。
今年はキチンと根切りシートを張ったので楽に苗床から苗箱を取り出せました。
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それでも二人で頑張って、明日は確実に終れるところまで漕ぎ付けました。
苗のできはとても良く、今までで一番の出来です。
狙った通りの茎が太いずんぐりした姿に育ちました。
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午前中で完了！
午後から畦波を張るなどの作業をして楽勝で終了しました。
終った後のビールは格別な美味さでした！！！
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糠が田面に浮いてしまって、風で吹き寄せられて一所に偏ってしまうのです。
これはどうしようもなく、ただ眺めていました。
来年は止めようと思います。
続く7日と8日は畦や法面の草刈をしました。（写真がありません）
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さらに、今回一回だけの中耕除草にして、７月に入ってからの株間の除草など稲の根を傷つける可能性のある作業は止める事にしました。
昨年の倒伏の原因と考えられる事は少しでも避けようという方針です。
まだ草は目立っていないのですが、除草機を押すと小さなコナギが浮き上がってきます。
中耕除草の目的は除草だけではなく、根に酸素を供給してやることにあります。
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7月7日から水を落としはじめました。
地面に大きなひび割れが出来るまで干しました。
しかし、全体を完全に干すのは難しく、一部は水が溜まったままでした。
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出穂前15日に相当する7月17日に苦汁の30倍液36リットルを半量は柄杓で撒き、残りは水口から流し込みました。
苦汁は「海の精」の苦汁です。
苦汁の施用はこれで3回目です。
最初は種籾催芽の時
二回目が苗代でした。
後もう1回施用する計画です。
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稲の可愛い花が見えます！
この瞬間は何回見ても感動ものですね！
 穂が一部茶色くなっています。 |
 消石灰を手で撒きました。 |
 右側半分まで撒いてあります |
 撒いた部分のアップの写真です。 |
調べてみると「内えい褐変病」だという事がわかりました。
この病気に罹ると玄米が褐色に変色したり、食味が落ちたりするそうです。
何とかしなくては！！ しかし、無農薬でやる方針ですので薬剤散布をするわけにはゆきません。
そこで、イモチが広がるのを防ぐ効果があるという消石灰を散布することにしました。
手で撒いたのですが、これが大変な事になりました。
汗にまみれたシャツやズボンに消石灰が付着し、それが肌に滲みて被れてしまったのです。
肌が赤く爛れて、斑点が出、痛いのです。
途中で止めて散布機を借りてきましたが雨が降り出して使えませんでした。
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この散布機は以前は農薬を撒くのに使っていたそうですが、今では農薬の散布は行なっていないそうです。
8月15日現在天候が悪くまだ消石灰の散布は完了していません。
このページの先頭へ 5月30日田植直後 |
 6月3日 |
 6月10日 |
 6月15日 |
 6月25日 |
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 7月2日 |
 7月11日 |
 7月22日 |
 8月1日 |
 8月10日 |
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 8月13日 |
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杭が見えるのは成長を測る為の物差しです。 その一番手前は1本苗で成長の目安にしています。どんどん分けつしてゆく様子が分かります。 |
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出穂前と同じく30倍液36リットルを入れました。
今回は、柄杓で撒くのは止めて、全量水口から流し込みました。
長らく水を入れなかったので取水パイプが詰っていました。
今年は雨が多く、一ヶ月以上も水を入れなくて田圃の水が十分にあったのです。
パイプを清掃して水が勢い良く出るようにしてから苦汁を流し込みました。
 刈り払い前 |
 刈り払い前 |
 刈り払い後 |
 刈り払い後 |
もう少し早く刈り払っておかなくてはいけなかったなー・・・と深く反省するほど草が伸びていました。
左側の写真をご注目下さい。
法面の草は稲を覆い隠すほどに伸びてしまっていました。
何とねむの木まで生えていました。
野生の生命力はすごいですね！
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稲が黄金色に色付きました。
今年は倒伏も無く状態は良好です。
田圃の乾燥も上手く行って、土はしっかり固まっています。1本植えした稲も十分に分けつしていました。
昨年修理したバインダーで刈り取りを始めました。
バインダーの結束の調子が良くなってきたと思ったところで故障してしまいました。
稲を送る爪がついたチェーンが複雑に噛み込んでしまっていて簡単には修理が出来ない事が分かりました。
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縛る作業に時間が掛かります。
でも、稲を刈っているとなんとも言えない甘い香りがしてくるのです。
今年の米は美味しそうです。
手で刈ると、「サクッ、サクッ」という感じがとても楽しいのです。
この日は二人で頑張って稲架5本分を刈りました。
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「内えい褐変病」の影響でしょうか。
しかし全体では問題無さそうです。
右は健全は穂、左は変色していて実が入っていない穂です。
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稲架は全部で13本になりました。
稲架に掛けた稲からはふくよかな甘い香りが漂います。
今年もハプニングがありましたが無事稲刈り終了です。
夜には二人で収穫祭をしました！
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藁が詰ってベルトが切れるハプニングがありましたが昼過ぎには全て脱穀し終わりました。
脱穀した籾は湿度が19%でしたので15%まで下げるように乾燥機に入れて乾燥してもらいました。
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米袋18袋、籾で464kg、玄米換算で371.2kg約6.2俵の収穫がありました。
心配した「内えい褐変病」の影響は少なかったようです。
倒伏せずに、しっかりした稲に育ったのは「苦汁」の効果もあったと思っています。
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今までは籾をいきなり循環型精米機で摺っていたのですが、どうしても籾の屑が入りますし、玄米に出来ないので小型の籾摺り機を購入しました。
やはりお米の仕上がりが違います。
今年は玄米でも、７分付きでも自由にできます。
ご希望があればお分け致します。
今年の新米は美味しいですよ！
爽やかな香りが口中に広がります！
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